
3MIX-MP療法ー日本歯科医学会の見解
- はじめに
3Mix-MPは抗菌剤として、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロプロキサシンを使用し、基剤としてマクロゴール、プロピレングリコールを使用することになっている(3Mix-MP法とLSTR療法、日本歯科評論、2000年)。そこで、最初に各薬剤の使用状況をみることとする。
- メトロニダゾール:抗菌薬でトリコモナス症などの治療に使用されている。
- ミノサイクリン:抗菌薬で気管支炎、化膿性疾患、肺炎などの治療に使用されている。
- シプロプロキサシン:抗菌薬で咽頭炎、気管支炎、扁桃炎などの治療に使用されている。
- マクロゴール:安定剤、湿潤剤、軟膏基剤、座薬基剤、錠剤の表面平滑剤、コーテイングなどに使用されている医薬品添加物である。
- プロピレングリコール:保湿剤で化粧品、洗剤、シャンプー、ベビー用品などに含まれている。
このようにそれぞれの薬剤には、それぞれの使用目的が記載されている。
さらに、医薬品として認可されている。
しかし、これらの薬剤を混合したものは、医薬品として認可されていない。
- 薬剤の混合
薬剤を混合して使用するときには、一定の基準を満たす必要がある。すなわち、「医薬品製造販売指針」は次のような指針を示している。
医療用医薬品製造販売承認の申請の際必要な提出資料(新有効成分含有医薬品の揚合)
- 起源又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料
- 起源又は発見の経緯
- 外国における使用状況
- 特性及び他の薬品との比較検討等
- 製造方法並ぴに規格及び試験方法等に関する資料
- 構造決定及び物理的化学的性質等
- 製造方法
- 規格及び試験方法
- 安全性に関する資料
- 長期保存試験
- 苛酷試験
- 加速試験
- 薬理作用に関する資料
- 効果を裏付ける試験
- 副次的薬剤・安全性薬理
- その他の薬理一個々の医薬品により判断
- 吸収、分布、代謝、排泄に関する資料
- 吸収
- 分布
- 代謝
- 排泄
- 生物学的同等性一不要
- その他の薬物動態一個々の医薬品により判断
- 急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、催奇形性その他の毒性に関する資料
- 単回投与毒性
- 反復投与毒性
- 遺伝毒性
- がん原生一個々の医薬品により判断
- 生殖発生毒性
- 局所刺激性一個々の医薬品により判断
- その他の毒性一個々の医薬品により判断
- 臨床試験の成績に関する資料
- 臨床試験資料3Mix-MPについては、前記の試験等が一部行われているのみである。
- 相互作用
同時に2つ以上の薬剤を与えた場合、それらの薬の間に相互作用が生じて、思いがけない効果や有事・副作用が発生する可能性がある。この相互作用による効果や副作用は、その一つ一つの薬を別々に与えた場合の効果や有害事象・副作用についての知識からは、必ずしも予見や予測ができるとは限らない(薬物療法と相互作用、日本薬剤師研修センター編集、薬事日報社、2001年)。さらに、5つの薬を服用している患者では、4.2%の相互作用が発生していると言われている(表1)。したがって、3Mix-MPを歯科領域に応用した時も、相互作用の発現が危倶されるので、この3Mix-MPは保存領域の治療に常用する薬剤としては、現状では容認し難い。
もし、使用するのであれぱ、前記に記載した事項を患者に説明するとともに、さらに、この薬剤の有効性を患者に十分なる説明をし、同意を得るべきである。また、適応症例にっいても、従来から使用されている薬剤の適応症を順守しながら、選択すべきである。
いずれにしても、使用に際しては、慎重な対応が必要である。
文献1・Martin E・W:Hazards of Medication. A manual on drug interactions,contraindications,and adverse reactions with other prescribing and drug information,Second Edition,pp351-394,1978, J.B.Lippincott Company,Philadelphia.
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45 |
21ないしそれ以上 |
表1
同時に投与される薬の数と薬物相互作用の発生数との関係
投与されるクスリの数
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相互作用を発生した患者の割合(%)
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5 |
4.2 |
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6-10 |
7.4 |
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11-15 |
24.2 |
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16-20 |
40.0 |
(文献1)より引用)
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