肺がん発生率:幹線道路近くの住人で高く 胃がんも

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幹線道路から50メートル以内に住んでいる人は肺がんや胃がんになるリスクが高いことが、千葉県がんセンター研究局疫学研究部の三上春夫部長らの調査で分かった。男性の肺がんで1.76倍、男女の胃がんで1.68倍、それぞれ発生率が高くなっているという。29日から福岡市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。

 三上部長らは90~94年に同県内のある市で胃、大腸、肝、子宮、乳房のがんと診断された人のうち、12時間の交通量が5000台以上の幹線道路から500メートル以内に住む528人について、幹線道路からの距離を精密に計測した。
 続いて、当時の国勢調査に基づいた人口と実際の患者数から、500メートル以内に住む人のがん発生率を割り出した。これをもとに50メートル以内の発生数を予測し、実際の患者数と比べた。
 この結果、予測発生数と実際の患者数は、男性の肺がんで9.64人と17人、男性の胃がんで22.01人と37人、女性の胃がんで12.54人と21人だった。幹線道路から50メートル以内に住む人はより遠くの住民よりも、発生率が男性の肺がんで1.76倍、男女の胃がんで1.68倍高いことになる。
 他のがんでは、女性の肺がん2.00倍、男性の大腸がん1.32倍、女性の大腸がん1.62倍、男性の肝がん1.46倍、女性の肝がん1.19倍、乳がん0.87倍、子宮がん1.04倍--との結果だったが、患者数が少ないなどで統計的に意味のある数字にならなかった。
 三上部長は「50メートル以内に住むがん患者の年齢は全県平均より若く、交通量の多い幹線道路特有の事情があると考えられる。自動車の排ガスに含まれる有害成分が関与しているとみられるが、胃がんでもリスクが高くなっているので、単純に吸入だけの影響ではないようだ」と話している。