薬局の「機能」第三者機関が評価、公表

 日本薬剤師会(中西敏夫会長、約9万7000人)は12日、薬局の「機能」を第三者機関で評価する制度の導入を決めた。
 〈1〉ミス防止対策〈2〉服薬指導や医薬品管理〈3〉地域貢献――など約250項目について客観評価し、優れた薬局を認定、公表する。患者に薬局選びの明確な基準を示すことで全体の質向上につなげ、地域住民の健康管理を担う拠点にしていく考えだ。

 病院の機能評価では1995年、日本医療機能評価機構が設立されたが、薬局の評価制度は初めて。
 全国で約4万9000ある薬局は、薬剤師が一般薬の販売のほか、医師の処方せんに基づき調剤する。薬剤師法により、疑わしい点がある場合に医師に問い合わせる「疑義照会」や、患者への適切な情報提供が義務付けられている。
 評価では、調剤方法やミス発生時の対応の明文化、患者の体質や薬歴に応じた指導などの有無、調剤ミス防止マニュアルの徹底などを細かくチェック。また、「わかりやすい服薬指導の工夫」「服薬歴の管理体制」など、何でも相談できる「かかりつけ薬局」の機能も項目に加えている。
 「住民の視点」にもポイントを置き、患者対応、待ち時間、休日に処方せんを受け付けたり相談に応じたりしているかも詳細に点検する。「福祉用具購入の相談に応じる体制があるか」「介護保険関連事業に参加しているか」に加え、地域における福祉・介護サービスとの連携も評価する。
 同会では、年内に評価項目と評価マニュアルを全国5000薬局に配り試行を開始。どの項目を重点項目とするかなどを検討したうえ判定のルールを策定し、早ければ2007年度から機能評価をスタートさせる方針だ。認定は更新制とし、評価基準には順次、新たな項目を加えていくという。
 同会の推計によると、処方せんの2・1%に用法・用量などに何らかの疑義があり、その3分の2が薬剤師から医師への問い合わせにより処方変更になっている。一般薬を買いにきた患者とのやりとりが胃かいようの早期発見につながるようなケースも少なくない。
 一方、調剤ミスなどで患者が死亡したり入院したりしたケースは、医師が抗てんかん薬を10倍量処方し、それを見過ごしたため、48歳の男性が死亡(2002年3月、岐阜県)など、判明しただけで過去5年間に計23件にのぼる。
 病院に続いて薬局でも第三者評価が導入されることは、患者にとって本格的な選択の時代への突入を意味する。
 井上章治・日本薬剤師会常務理事は「適切な機能評価により、薬局を単なる薬の販売所ではなく、地域に根ざした薬の総合安全センターにしていきたい」と話している。
 ◆疑義照会=調剤の際に、薬剤師から医師・歯科医師などに対して行われる問い合わせ。薬剤師は、処方せんの内容に疑問がある時は、それを確かめた後でなければ調剤してはならないという規定が薬剤師法にある。