国民生活センターが公式に注意文書(歯科インプラント治療に係る問題)

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【 危害を受けたという相談の概要 】
・ PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、歯科インプラント治療により危害を受けたという相談が2006年度以降の約5年間で343件寄せられており、増加傾向にある。
・ 契約購入金額の回答があった相談228件のうち約7割は50万円以上の契約であり、高額な契約が大部分であった。
・ 身体症状が継続した期間について記載があった相談204件のうち、1カ月を超えて身体症状が継続したという相談が154件(75.5%)であり、そのうち64件(41.6%)は1年以上身体症状が継続していた。また、歯科インプラント治療により危害を受けたという相談の82.5%(283件)は相談受付時に身体症状若しくは身体症状に対する治療が継続していた。
・ 身体症状の内容は、歯や口腔の痛み、腫れ、インプラント体の破損、化膿(かのう)等が多かった。
・ 消費生活センターであっせんが行われていた相談はごくわずかであった。
  
【 主な相談事例 】
・ 長期の不快症状が続き精神的にも参っている
 ホームページを見て出向いた歯科クリニックでインプラントを契約。抜歯をし土台を入れ5カ月が経過したが、炎症が治まらず、精神的に参ってしまった。治療の見通しがつかず、担当医師との信頼関係も持てなくなった。
・ きちんと説明のないまま治療された
 半年前に折込広告やホームページを見て電話し、説明するのですぐ来てと言われ行った歯科医院で、リーフレット1枚を渡され、いきなり治療を開始された。1カ月で一応治療は終了したが、ゆるんで痛く、かめずに困っている。
【 問題点 】
1.歯科インプラント治療でいったん危害を受けた場合、症状や治療が長期間にわたるおそれがある。
2.歯科インプラント治療を行う歯科医療機関や歯科医師に関する基準や、治療のプロセス全体を網羅するようなガイドライン等がないため、歯科医療機関や歯科医師によって治療の水準に差があるおそれがある。
3.治療内容や治療方法、治療のリスク等に関する歯科医師の説明が不十分な場合がある。
4.危害等を受けた場合の歯科医療機関の対応が不十分・不適切と感じている消費者がいる。
5.医療機関の広告は医療法等により規制されているが、インターネットや新聞折込広告等に掲載された歯科インプラント治療の広告の中には不適切な広告が見られた。また、歯科医療機関のホームページは原則、広告とみなされていないが、インターネット上の広告と同様の記載が見られた。
6.歯科インプラント治療により危害等を受けたという場合、消費生活センターでのあっせん、解決は困難であり、消費者が複数の相談窓口に問い合わせざるを得ない状況が伺えた。
 
【  消費者へのアドバイス 】
1.歯科インプラント治療を受ける場合は、消費者自らも十分な情報収集を行うとともに、治療前に歯科医師に対してリスク等に関する説明を自ら十分に求める方が良い。
2.歯科インプラントを入れた後も、歯科医師の指導の下で適切な口腔清掃を行うとともに継続的に定期検診を受けること。
3.歯科インプラント治療により危害を受けた場合は、セカンドオピニオンを得たり、納得ができない場合は、有料となる場合もあるが、弁護士会等による法律相談を受けることができる。また、各地にある医療安全支援センター、歯科医師会、保健所、消費生活センター等に情報提供すること。